浄水器は日本製で浄水力の高い家中まるごと浄水器

然水」でも飲んで、深呼吸を数回すれば酸素はもっととれるわけです。

国立健康・栄養研究所のウェブサイトに「酸素水」の効果に関する情報が出ていました。

酸素水は一般的に「スポーツ時の酸素補給や酸素不足から来る疲れなどの体調不良の解消」、「頭がすっきりする」、「ダイエットによい」などといわれています。しかし、その効果を検証した論文は少なく、しかもそれらの論文の結果は、「酸素水」のそのような効果については否定的な内容となっています。

運動能力に対する検討、体内組成等に対する影響の検討などの論文が紹介されていますが、いずれも効果に否定的でした。

「貴重なご意見をいただきありがとうございます」と“感謝”されたので、ボトル、サイトでも明記してほしいなと思っていましたが、「アサヒ酸素水」は2010年に販売終了となっています。

 

フランスのルルドの水の“奇跡”

 

フランスにあるルルドの泉の水は「奇跡の水」といわれ、世界各国から病気治癒を求める人たちが訪れています。

九州大学の白畑實隆教授の研究室がこのルルドの泉の水を分析したところ、ミネラル分などはほかの湧き水とさほど変わらなかったものの、豊富な活性水素が検出され、さらには細胞内の活性酸素が消去されたと報告しています。ドイツのノルデナウ水、メキシコのトラコテ水、大分の日田天領水も、体内で悪さをする活性酸素を消去するとしています。

人間はストレスがたまると、活性酸素の量が増えるとされています。それに乗った商法として「活性水素は活性酸素を無害化する」とPRし、活性水素生成器や水を販売している業者がいます。

活性水素は仮想物質で、原子状の水素のことだともいわれています。水素原子は電気的にも不安定です。水素は2つの水素原子を結合して水素分子となりますが、ごくまれに原子のままの水素があり、この水素原子を含んだ水があるといわれています。このあたりもよくわかっていません。

ルルドの水などは自然環境から生まれた“貴重な水”だといえます。といっても、科学的な証明が十分にされているわけでもありません。

ルルドなども採水したときは豊富な活性水素が含まれていても、時間とともに普通の水に戻っていくため、水源地ですぐに飲む以外、からだに摂り入れることは難しいということになります。ボトルで売られている水素水も酸素水と同じく、あけて一気飲みしかありません。

ルルドの泉の奇跡だけではなく、稀少な湧き水、浄水器、整水器、活水器の水がからだに効いた“事実”がいくつも報告されています。そして、「この水はからだによい」「この水はからだに効いた」と水や浄水器を熱心に、執拗にすすめられた人も少なくないと思います。

たしかに、水がからだに効くことも、からだによいこともあるでしょう。

薬理作用のない薬を「効きます」といって投与し、効果がみられる「プラシーボ効果」(暗示効果、自然治癒力など)も、中にはあるのではないでしょうか。

ミネラルを補充、ダイエットにおすすめ、デトックス効果、奇跡の治癒力といった機能を売りにする水、自然をイメージした水などのアイディア商品はこれからも出てくることでしょう。

それはただの「水」かもしれません。

メーカーの宣伝文句に惑わされないようにしましょう。

 

『ブルーゴールド狙われた水の真実』

 

二十世紀が“石油戦争”の時代だとしたら、二十一世紀は“水戦争”の時代になるといわれています。世界で起きているさまざまな“水戦争”の現状を描いたドキュメンタリー映画が『ブルーゴールド狙われた水の真実』(サムボッゾ監督)です。

水は、限りある資源だということが繰り返し述べられています。

アメリカのレーガン大統領、イギリスのサッチャー首相が「水は商品」としたことから水戦争がはじまります。その後、水は投資対象になり、水が利益を生むと考えた多国籍企業による「水ハンター」が世界に水源地を求め、水を汲み上げて大量のボトル水をブランド化して販売を続けています。限りある水を大切にしている国がある一方で、水はあって当然、それをビジネスに利用する大国があります。

ボリビアで水戦争が起きています。1999年、世界銀行のすすめでボリビア政府は水道を民営化しました。新しい水道会社は米国最大の建設企業ベクテル社の子会社。多国籍企業に上下水道の経営権が買い占められ、水道料金は200%以上値上げされ、支払えない家庭は水道の供給を停止されました。雨水を集めることすら禁止されました。

生きるために必要な最低限の水すら満足に手に入れることができなくなった市民は「水と生活を防衛する市民連合」を結成し、「水は神の贈り物で商品ではない」「水は命」というスローガンを掲げ、反対運動を起こします。しかし、世界銀行、米州開発銀行に援助停止の圧力をかけられ、ボリビア政府は多国籍企業を守るため市民を弾圧しましたが、長くは続かず、政府は水道民営化法を撤回することになります。

勝利した運動のリーダーが「水と空気はわたしたちのものです」と叫ぶシーンがとても印象的でした。この「水はだれのもの?」から本質が見えてきます。政治経済体制を変えないかぎり、人類の共有財産は枯渇していきます。

 

「脱・ペットボトル水」へ

 

世界ではペットボトルの水はやめようという「脱・ペットボトル水」に向かっています。

『ブルーゴールド狙われた水の真実』の中で、水を販売するネスレの担当者は「ペットボトルが水道水より良いといっているわけではない」「ペットボトルは便利だから」と発言していました。

オーストラリアのニューサウスウェールズ州のバンダヌーン町では2009年からペットボトル水の販売が住民の意思で禁止されました。理由は環境への負荷からです。

環境問題に積極的なケン・リビングストンロンドン市長が2008年、市民に「ボトル入り飲料水を買うのをやめ、安くておいしく環境にもやさしい水道水を飲もう」というキャンペーンをはじめました。市長は、ボトル入り水は水道水に比べて価格が500倍、環境への悪影響は300倍だと指摘しています。

WWF(世界自然保護基金)が「ペットボトル入りのミネラルウォーターが水道水より安全とはいえないと警告する報告書を2001年に発表し、「コストの高いペットボトルをやめて、環境にやさしい水道水を飲もう」と呼びかけました。

屋久島の縄文水からも硝酸性窒素が検出されています。降水量が多い屋久島ですが、有害化学物質が雨とともに降り、地下水を汚染させたのだと考えれば水質汚染はその地域だけの問題ではなく、世界的な問題でもあります。

水の裏側に迫ったドキュメンタリー作品『フロウ水―水が大企業に独占される!』(イレーナ・サリーナ監督)で「年間300億ドルあれば世界に安全な水を供給できるが、ボトル水の売上げはその3倍」と伝えていました。

水道水にも問題はありますが、ペットボトル水も決して安全といえず、環境に負荷をかけている状況にあって、消費者のひとりひとりが「脱・ペットボトル水」について考えなくてはいけない時期にきています。

 

ミネラルウォーター23本検査

 

2006年、2007年に検査した商品、コンビニで売られている商品、現在、売り上げを伸ばしている商品からミネラルウォーターを選び、計23本(国産14本、海外産9本)を検査してみました。

試験紙での検査項目は、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、総硬度、総アルカリ度、pH。試験紙は目測となるため、硝酸性窒素が検出されたと思われる商品についてはパックテストで硝酸(硝酸態窒素)を調べ、標準色と比べました。

 

【検査日】2011年3月10日

【検査キッド】

・簡易水質検査試験紙「アクアチエックECO」

(価格3990円、販売元=シーメンスへルスケア・ダイアグノスティクス株式会社、検査項目=硝酸性窒素・亜硝酸性窒素・総硬度・総アルカリ度・pH・簡易水質検査試験紙

25回分入り)

・パックテストによる水質測定どんな水か調べてみようシリーズ硝酸(硝酸態窒素)

(価格1400円、株式会社共立理化学研究所、10回分入り)

・TDSテスター(メーター)(価格は5000円〜1万円程度)

【商品の購入先】都内のコンビニ、スーパー、一部大阪。

【検査したペットボトル水】

アサヒ飲料「六甲のおいしい水」、サントリー「南アルプスの天然水」、アサヒ飲料「富士山のバナジウム天然水」、大塚食品「CRYSTAL GEYSER」、サントリー「Vittel」、サントリー「Contrex」、伊藤忠ミネラルウォーターズ「evian」、キリンビバレッジ「Volvic」、コカ・コーラ「い・ろ・は・す」、JR東日本「谷川連峰の天然水From AQUA(フロムアクア」、東京都「東京水」、ファミリーマー卜「霧島の天然水」、日田天領水「日田天領水」、ジャスティス「天然水」、ケイ・エフ・ジー「アルカリ天然水」、ローソン「養老山麓のおいしい水」、ローソン「富士山系のおいしい水」、ブルボン「天然名水」、日本食品ホールディングス「酸素プラス」、サッポロ飲料「ゲロルシュタイナー」、サントリー「サンペレグリノ」、サントリー「ペリエ」。

 

水は変化する

 

今回2011年の検査でも、ペットボトルの水は必ずしも安全だとはいえない結果になりました。

ヨーロッパのミネラルウォーターは、天然水をそのままボトリングしています。

日本のミネラルウォータ—は基本的に80℃の高温で30分加熱し、殺菌することが義務づけられています。しかし、殺菌では有害物質を除去することはできません。

自然環境が豊かな地域の地下水が必ずしもきれいな原水だとはいえない時代になりました。それは、福島原発事故による放射性物質で汚染されることもあれば、地下水は生活排水、産業排水、農業排水から汚染されることもあるからです。

「きれいな水」といま現在いわれている水源がいつ汚染されるかはわかりません。安心のミネラルウォーターもいつ汚染された水へと変わるかわかりません。

「六甲のおいしい水」を2006年と2007年に検査したとき、硝酸性窒素の検出が認められましたが、今回の検査では認められませんでした。販売会社もハウス食品からアサヒ飲料になり、採水地は神戸市灘区から神戸市西区井吹台東町に変わっています。

また、サントリー「富士山のバナジウム天然水」の採水地は、2006年は山梨県富士吉田市新屋1731と番地まで明記されていましたが、2007年は山梨県富士吉田市となり、そして今回は静岡県富士宮市に変わっていました。

このような変化にも見られるように、水、地下水はよくも悪くも変化していきますから、今回の検査もその時期の目安のひとつです。ミネラルウォーターを格づけした本や雑誌がありますが、水は自然とともに変化していますから、その格づけもその時点のものです。本書での検査も同じです。

今回の検査結果から「数値は基準値内である」「簡易検査でしかない」といった声も出てくることでしょう。それも事実です。しかし、有害な化学物質がミネラルウォーターにも混入している事実をまず知ってください。本当にきれいな水なら、硝酸性窒素が出てくるようなことはありません。

検査は自宅で手軽にできますから、検査キッドでチェックしてみることをおすすめします。

そして、企業には、ミネラルウォーターで基準値がある項目の数値の公開をお願いしたいと思います。

 

第4章

浄水器の選び方

 

有害なものを取り除く手段

 

「水は大切だと思う。でもどれがいいのかわからない」

わたし(角田)は仕事柄、本当にたくさんの方から、このような言葉を聞いてきました。

「どれがいいのか」の中には、ペットボトルのミネラルウォーターや宅配ボトルサービス、天然の湧き水などが含まれていますが、第4章では、水を浄水する機器に絞って「どれがいいのか」を考え、最適な浄水器の選び方を紹介していきます。

『日経新聞』(2011年1月8日付)に「納得の住まい、欲しい設備は?」という記事の中で、「つけてよかったのは」「つけて失敗したのは」といったインターネット調査によるランキングが記載されていました。

つけて失敗した第3位にビルトイン(アンダーシンク)浄水器がランキングされていました。理由として「ミネラルウォーターを購入しており、使っていない」(40代女性、マンション)、「定期的にカートリッジを替えるのが面倒」(30代女性、マンション)という声が紹介されています。一方、ビルトイン浄水器は、「つけてよかった」の中で14位に登場しています。

この調査ではよかったという人よりも失敗したと感じている人のほうが多いようですが、いずれにしても多くの人が浄水器に関心を持っていることがわかります。

一般的に、浄水器などの機器の取りつけを家庭で検討するのは、毎日使用する水をよりよくしたいという考えからだと思います。

そもそもどのような水がよりよい水なのでしょうか。

水の中に健康やおいしさにとってよくない物質が入っていた場合、そのよくない物質を減らせば減らすほど健康やおいしさの面でよりよい水になります。

ここで、浄水器の出番になります。

浄水器とは、あくまでも水の中にある有害なものを取り除くための手段です。水道水、井戸水にたとえ微量であってもからだによくないものが入っていたら除去したい、おいしさを邪魔するものはしっかり取り除きたいという人が求めるのが浄水器です。

 

部品によって異なる性能

 

浄水器は、水の中から有害物質を取り除くひとつの手段です。たとえるならば、からだや荷物を遠方まで運ぶ手段のひとつとして、車があるようなものです。

家庭用乗用車でも、さまざまな形状があります。大人数が乗れるものや、荷物がたくさん積めるもの、小型で駐車のときに小回りがきく便利なものなどです。

浄水器にもさまざまな形状があります。小型で蛇口の先端に取りつけるものや少し大きくてキッチンの下に設置するものなどです。スタイルによって、便利さも多様です。

車の仕事は走ることですが、浄水器の仕事は水の中の不純物を取ることです。

すごくスピードの出る車があったり、加速のいい車があったり、燃費のいい車があったりするように、浄水器もその中に使用されている主たる部品(ろ材=濾材、ろ過や吸着によって浄水作用を行うための材料)によってその性能が違ってきます。

どのようなろ材を使用した方式かによって、性能にはっきり差が出てきます。もちろん、車のように価格もいろいろです。

車を選ぶとき、しっかりとカタログを読んだり、試乗をしてその性能を確認したりしてからどの車にするかを決める人もいれば、カタログを見てもわからないから店員に説明してもらって確認作業を 進める人もいます。電化製品でも同じです。

しかし、浄水器を選ぶ場合、車や家電製品のように熱心に調べる人は多いとはいえません。活性水素、活性炭、逆浸透膜、電気分解といった専門的なことばが出てくれば出てくるほど頭が混乱してきます。

たとえば、クラスター(分子のあつまり)が話題になります。「この機器に水を通すとクラスターが小さくなるので健康にとてもよい」と説明されることがあります。しかし、クラスターが本当に小さくなったのかどうか自ら確認(測定や試験デー夕の確認)することができません。クラスターの大きさを測定する確立された手法が現在はないからです。

ほかにも磁化水や波動水など、数値で実証できないものがたくさんあります。

公に認められている測定方法で証明できなければよくないとは必ずしもいえません。しかし、やはりわからないのも事実です。

 

正しい浄水器の知識

 

消費者がわからない点につけ込む浄水器販売業者によるマルチ、悪質な訪問販売などによる商法も出ていて、浄水器の被害も毎年、報じられています。

「水道局のほうからきました」といった水道局員を装った人たちの訪問もあれば、「無料で水質検査をします」と目の前で水がいかに汚染されているかを見せたり、「モニタに選ばれました」といっておいしい話を持ってくるケースもあります。福島原発で浄水場から放射性物質の検出報道後、「通常100万円する浄水器がいまだと30万円です。これで放射性物質が取れます」といった悪徳業者も出てきました。

この背景には1997年、アメリカの要請で浄水器の製造・販売規制が緩和されたことがあります。その後、悪徳業者が急増したため、浄水器といえばすぐに「あやしい」と思っている人も多いです。

被害ケースが増えたことから2002年、浄水器も家庭用品品質表示法の対象になり(アウトドア用や災害時用など対象外もあり)、JIS規格の除去能力試験方法に基づいて除去率80%に下がるまでの浄水能力、ろ材取替え時期の目安などの表示が義務づけられるようになりました。商品スペックでこれらを確認してください。

多くの販売業者が実にさまざまな浄水器を販売しています。その中には効果のあるものもあるでしょう。逆に、まったくもってうたい文句と違うものもあるかもしれません。また、販売している人も自分の商品がよくわからないまま、間違っていることを宣伝して販売しているケースも見られます。

水は必要不可欠で、緊急性のものだから、悪徳商法のターゲットになりやすいともいえますが、消費者が浄水器に関して正しい知識を持っていれば問題とはなりません。

 

代表的な4種のろ材

 

浄水器選びに失敗しないためには、まずどんな浄水器があって、そのメリットとデメリットは何なのかを知ることです。

まず、浄水器にどんな方式があるかに関心を持ってください。そして、いま愛用している浄水器がどれにあたるのかをチェックしてみてください。

浄水器は、その中に水を入れてろ過することで水中の有害物質を取り除きますが、どのようなろ材を使用する方式かによってその能力に差があります。

浄水機能のある商品として、活性炭、活性炭+中空糸膜、アルカリイオン、イオン交換樹脂、セラミック、逆浸透膜などの方式が何種類かあります。次ページから代表的な4種類のろ材(活性炭、中空糸膜、セラミック、逆浸透膜)について、性能、ろ過方式別の特徴と除去能力について説明していきます。

残念ながら一種類ですべての有害物質を除去できるろ材はありません。浄水器として除去できる物質の種類を増やすために一つの商品の中に複数のろ材が使用されているのが一般的で、実際には活性炭のみ、活性炭と中空糸膜を組み合わせたタイプ、活性炭とセラミックを組み合わせたタイプ、活性炭と逆浸透膜を組み合わせたタイプなど複数のろ材を組み合わせられた浄水器が販売されています。

 

【ろ材】活性炭

 

ろ材に活性炭を使用する方式です。

活性炭は、樹木や石炭や椰子がらなどを高温で蒸し焼きにしてできた炭で、粒状、粉状、繊維状、ブロック状などの形状で多くのスタイルの浄水器に使用されています。活性炭の表面にあいた無数の小さな孔に不純物質を吸着させます。

活性炭の孔は一様ではなく、0.05ミクロン(50ナノメートル)以上のマクロポアと呼ばれる孔や、0.002ミクロン(2ナノメートル)以下のミクロポアと呼ばれる孔があります。吸着された有害物質は分解されませんので、除去すればするほど吸着能力(除去性能)が低下します。

塩素やトリハロメタンなどは除去できますが、塩分、重金属、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素などは除去できません。カートリッジの交換時期も比較的短いです。殺菌のための塩素が取り除かれるので、定期的な交換を忘れて使い続けていると細菌が繁殖しやすい状態にもなりかねません。圧縮して固めた形状で使用されている場合(ブロック活性炭)、鉄サビなどが多く含まれているとフィルターの目詰まりが早くなります。

 

【活性炭の長所】

・形状が豊富で使用量を調整しやすい。

・抗菌物質を混ぜることも容易。

・比較的安価

 

【活性炭の短所】

・カートリッジの交換時期が早い(量が少ないほど早い)。

・交換時期を過ぎると吸着したものを放出することがある。

 

【活性炭が除去できる物質】

異臭味、カビ臭、カルキ臭、残留塩素、ビスフェノールA、トリハロメタン類、農薬類など。

 

【ろ材】中空糸膜

 

ろ材に、中空糸膜(マイクロフィルター)を使用する方式です。

中空糸膜は、ポリエチレンなどの素材でつくられる中が空いているパイプ状の糸です。マカロニのよぅなイメージです。パイプの壁に非常に小さな孔が空いています。孔は細菌よりも小さく、この孔を水が通過するときに粒子状の有害物質や細菌を除去します。

0.1ミクロン程度の孔が無数に空いたろ過膜です。さらに小さな分子状の物質、水中に溶け込んでいる重金属類、硝酸性窒素、ウィルス、トリハロメタン、環境ホルモン物質などの有機化合物は除去できません。

よく活性炭と併用されているマイクロフィルターは化学繊維のフィルターです。その代表的なものが中空糸膜になります。目づまりを起こしやすいので、頻繁にカートリツジ交換をする必要があります。

 

【中空糸膜の長所】

・水のおいしさのもととなるミネラルを除去しない。

・比較的に安価。

 

【中空糸膜の短所】

・ろ材として単独の使用に向かない。

・分子状の物質は除去できない。

 

【中空糸膜が除去できる物質】

赤サビ、濁り成分、水カビ、クリプトスポリジウム、一般細菌など。

 

【ろ材】セラミック

 

ろ材に、セラミックを使用する方式です。

セラミックは陶器と同じような素材です。小さい孔が多数空いていて、不純物を除去します。除去できるものは中空糸膜とほぼ同じですが、活性炭との併用モデルが人気です。

素材の特性で、熱や薬品に強く洗浄による再生ができるメリットと、表面積を大きくしにくいので 詰まりやすいというデメリットがあります。

 

【セラミックの長所】

・水のおいしさのもととなるミネラルを除去しない。

・吸着したものを放出することがない。

 

【セラミックの短所】

・分子状の物質は除去できない。

・目詰まりしやすい。

 

【セラミックが除去できる物質】

赤サビ、濁り成分、水カビ、クリプトスポリジウム、一般細菌など。

 

【ろ材】逆浸透膜(RO)

 

ろ材に、逆浸透膜を使用する方式です。

もともとは、海水を淡水にすることを目的にアメリカで開発されたもので、米国航空宇宙局(NASA)でも採用されています。

フィルターに高圧力をかけて水を透過させ、ほかの方式では除去ができない重金属、化学物質、ウィルスなどの有害物質を除去します。

除去能力は優れている一方、通過する孔(0.001ミクロン)が小さすぎるため、時間当たりの浄水量(浄水スピード)が遅い、排水が出る、おいしい水の要素とされるミネラルも除去してしまうことが指摘されています。

一般的には、ほかの方式に比べてサイズも大きいです。

スーパーで見かける「水の自動販売機」、会社、美容室などに置いているウォーターサーバーの水も逆浸透膜方式が多いです。ダイオーズ、クリクラなどの宅配水があります。

 

【逆浸透膜の長所】

・ろ材として除去性能がもっとも高い。

 

【逆浸透膜の短所】

・浄水ろ過に時間がかかる。

・排水が出る。

・水のおいしさのもととなるミネラルも除去する。

 

【逆浸透膜が除去できる物質】

一般細菌、病原菌、クリプトスポリジウム、ウィルス、鉛、アスベスト、ビスフェノールA、アルミニウム、トリハロメタン類、農薬類、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、ダイオキシン、環境ホルモン、カドミウム、ヒ素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど。

 

そのほかのろ材と整水器

 

イオン交換樹脂

 

イオン交換樹脂は一部の浄水器に使用されている合成樹脂です。

大きくは陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に分けられます。陽イオン交換樹脂は水中のプラスイオン物質、陰イオン交換樹脂はマイナスイオン物質を取り除くことを目的に使用されます。

イオン交換樹脂は、もともと持っているイオンより優先順位の高いものがきたときにそれらを置き換えるので、結果として吸着の優先順位がより高いイオンを水中から取り除くことになります。このような特性から、水中から何を取り除きたいかによってイオン交換樹脂の種類が選ばれることになります。採用した樹脂により吸着しやすいイオンを除去するという仕組みで、イオン以外の微生物や有機物は取り除くことができません。

溶解性鉛の除去をねらってほかのろ材とともに陽イオン交換樹脂(繊維状にしたイオン交換繊維もあります)を使用する浄水器、硝酸性窒素の除去をねらって陰イオン交換樹脂を使用する硝酸性窒素除去器などがあります。

 

不織布と珪藻土

 

不織布は、織らずにつくった布です。不織布はいろいろな方法で接着させたり絡み合わせたりして布状に結合されてつくられたものです。織られた布と比べると強度は劣りますが、大量生産しやすいので安価です。活性炭、中空糸膜、逆浸透膜といったろ材と合わせて使用されます。

珪藻土は、珪藻(藻類)の殻の化石よりできた堆積物です。珪藻の殻には小さな孔がたくさん空いていて、その孔で水中の物質を補足します。ろ材としては、プールの循環システムなどに使われていますが、ろ材として単体で使用している浄水器はあまり見かけません。

 

アルカリイオン整水器

 

アルカリイオン整水器は、電気分解で水をアルカリイオン水と酸性水に分けます。電解槽で電気分解する際、マイナス側の電極には水酸化物イオンなどが多くなりアルカリイオン水となります。また、プラス側には水素イオンなどが多くなり酸性水となります。

また、アルカリイオン整水器と電解還元整水器、アルカリイオン水と電解還元水と酸化電位水は同じものです。

家庭用医療機器として認証を受けているアルカリイオン整水器もあります。アルカリイオン水の効能として「胃もたれや胃の不快感をやわらげる」「胃腸の働きを助けてお通じを良好にする」といった胃腸症状の改善を表示している商品もあります。

効能や効果がうたわれているアルカリイオン水ですが、アルカリイオン整水器のカタログや取扱説明書には一般の浄水器にはない次のような「安全に関する注意」項目があります。

・腎不全やカリウム排泄障害の方はアルカリイオン水を飲用しないこと。

・持病のある方または身体の弱っている方は使用前に医師に相談すること。

・医薬品をアルカリイオン水で服用しないこと。

誇大宣伝をめぐって、行政指導も出ています。

アルカリイオン整水器には、中空糸膜や活性炭のカートリッジを内蔵して、浄水機能を持たせている機種を多く見かけます。ただし、電気分解の際に水中のプラスイオン物質(重金属など)はアルカリイオン水側に集まりますので、使用する水に鉛、マンガン、鉄などの重金属が多い場合などは注意が必要です。

また、アルカリ性の水を飲むとからだがアルカリ性になるということはありません。ミネラルウォーターは弱アルカリから弱酸性です。人工的に電解したアルカリ水よりも、自然からの天然のアルカリイオン水のほうがより自然だといえます。

アルカリイオン整水器として、パナソニック電工「アルカリイオン整水器」、TOTO「アルカリスリム」、フジ医療器「トレビ」、ヤマハリビングテック「料理用整水器」などがあります。

 

精製水

 

精製水は、ろ過、イオン交換、蒸留などの方式で水中の不純物を除去した水です。

用途は、医療用器具の洗浄や製剤の調整、コンタクトレンズの洗浄などで、食品衛生法に基づく基準で品質検査をするものではありませんので、商品に「飲料用ではありません」と表記されています。

 

ろ材の特徴と除去できる物質

 

単独ですべての有害物質を除去できるろ材はありません。そのため多くの浄水器が数種類のろ材を使用しています。

異なるろ材を組み合わせることで、カバーできる有害物の種類を増やしているのです。

それぞれのろ材が、どのよぅな物質の除去に向いているのかは、下記の表をご覧ください。

ろ材が必要量あり、濃度が水質基準値程度の場合を前提にしています。

逆浸透膜は、広範囲の不純物を除去できるのですが、単独だと、塩素で損傷したり目が詰まりやすいので、ほとんどの商品がほかのろ材との組み合わせとなっています。

 

活性炭    中空糸    セラミック           イオン交換樹脂    逆浸透膜

塩素       ◎                         〇                         〇

損傷しやすい

カビ臭    ◎                                                     ◎

細菌                     ◎           〇                         ◎

鉄                         〇

粒状の場合           〇

粒状の場合           ◎

(陽イオン交換樹脂)            ◎

鉛                         〇

粒状の場合           〇

粒状の場合           ◎

(陽イオン交換樹脂)            ◎

トリハロメタン類              〇                                                     ◎

テトラクaaエチ  レン 〇                                            ◎

ドリクロロエチレン           〇                                                     ◎

ヒ素                                                               ◎

農薬類    〇                                                     ◎

硝酸性窒素                                                     ◎

(陰イオン交換樹脂)            ◎

 

◎:十分取れる、〇状態によっては取れる。

注)不織布は、水中のゴミや鉄サビなど比較的大きな不純物を除去する。

 

放射性物質を除去できる浄水器

 

福島原発の事故後、「放射性物質が取れる」浄水器はどれなのかが話題になりました。

放射性物質の除去方法や除去効果をめぐってさまざまな情報が流れ、その情報の中には科学的な検証に基づかないものも見受けられました。

活性炭、ろ過膜(中空糸膜)、セラミック、逆浸透膜、イオン交換のうち、どのろ材を使った浄水器なのか、併用されたものなのかで除去性能がわかりますから、「放射性物質が取れる」といったふれこみに惑わされないようにしてください。

放射性物質の大きさは、ヨウ素は約0.0002ミクロン、ウランは約0.0005ミクロン、セシウムとストロンチウムが約0.0006ミクロン。ろ過膜(中空糸膜)、セラミックの浄水器は膜のほうが大きく、放射性物質を通してしまうため除去できません。

これらの方式で「除去できる」といって販売していたら、それは間違いです。

実際、メディアが放射性物質への効果を紹介した直後、活性炭方式の浄水器が店頭から消えたと報道していました。しかし、有害物質を吸着させる活性炭でも十分な効果は期待できません。よくわからず販売している販売員もいますが、メディアも正確なことを伝えず、それをそのまま信じて購入した消費者が全国にいたことになります。

逆浸透膜浄水器のフィルターの孔は約0.0001ミクロン(逆浸透膜で除去可能な最小分子量50)ですから、ヨウ素(分子量131)、ウラン(分子量235)、セシウム(分子量134、137)、ストロンチウム(分子量90)、プルトニウム(分子量239、240)などは理論上、通さないということになります。

水道水から放射性物質が検出された直後、逆浸透膜のフィルターメーカーに問い合わせたところ、「本当に放射性物質が取れるか試験をしていない」とのことでした。理由は、有害な放射能物質は入手できないからです。これこそ、本当に想定外です。

放射線医学総合研究所が千葉市内の水道水(2011年3月24日〜27日採取)を使って、煮沸、炭、活性炭、中空糸膜フィルタ、逆浸透膜による放射性ヨウ素の除去効果の実験を行なった結果、逆浸透膜以外では、ほとんど、あるいは限定的な除去効果(使用開始後急激に除去効果が低下し、表示上の使用限度の50%超ではほとんど効果が期待できない)しか期待できないことがわかりました。逆浸透膜(ミリポア社製Elix UV5、病院の精製水、実験室の試薬調製用水などで使用)による水からは、ヨウ素131は検出されませんでした。

また、大阪の逆浸透膜メーカーが福島県飯舘村の池の水(放射能物質のヨウ素131、セシウム134、セシウム137を含む)を逆浸透膜浄水器に通して計測したところ、ND(不検出、検出限界以下)だった検査結果を報告しています。

放射性物質はそれ以外にも、ストロンチウム、プルトニウムもあります。たとえば、福島第1原発号機の水の中に放射性物質「テクネチウム99」が検出されています。これは核分裂の結果できる生成物で半減期は21万年。今回の福島原発で多数の揮発性(飛び散りやすい)、不揮発性(飛び散りにくい)